「湘南」とは、もともと現在の中国の湖南省を流れる
湘江の南部に景色が似ていることから 名づけられたという。
湘南の範囲は曖昧で、鎌倉逗子葉山は
県の行政区域上 「湘南」には含まれていない。
藤沢江の島辺りから、二宮までが湘南とされている様だ。
大磯の西に「二宮」という町がある。
この町で 戦時下の二宮を記録するために
6年に渡って 太平洋戦争末期の「陣地」を調査した資料が出来た事を知り、
興味があるので その資料を手に入れるべく
二宮へ出かけてみた。
あの辺りの冬の海の色が美しいのは 知っているので
海を見て、資料を見て現地へ行けるなら 観て来ようと
軽いお散歩気分で・・・・
駅前の書店で購入できると 電話で聞いていたので
まず、南口の書店へ。駅前はとっても静かである。
購入してみるとその資料は 大変立派で
A4サイズ、何と厚みが1.5センチはあるだろうか、、、重い(笑)
コレを広げながら 探してみるつもりが、コンビニで
昭和風のビニールで覆われた紙袋を買う羽目になってしまった(笑)
吾妻山の菜の花は咲いているだろうか・・・・・
90箇所以上の 戦争遺跡のリストから
吾妻山に近い物を選んだ。
地図に番号が書かれていたが 詳しい経路は不明。
文章を頼りに とある地区のプールを探した。
人が歩いていなかった。堂々とA4の本を広げたまま歩く・・・・
二宮駅近くの歩道橋はとてもいい味になっている。
駅舎も古く、ホームに機銃掃射の跡が残っている、と、この本で後から知った。
目的のプール発見!あの後ろの山に
「歩兵201連隊 第9中隊指揮壕 獅子岩下 1号陣地」があるはずだ!!
この先は人気が無いことが ありがたかった。
車道の脇に 斜面へ入っていけそうなエリアを見つけた。
ここから行けるのか?道が無いから無理だろうなあ・・・・と
考えながら 入って行ってしまう・・・・・右へ回り込むと
なんだ!行けそうじゃないか!!
フェンスの脇というものにはだいたい
人が通れるスペースが設けられているのは数々の徘徊で解ってきた(笑)
さらに進む、そして 道が無いので斜面を登って行ってみる。
地図ではこの辺りに洞窟陣地の入り口が開いて居る筈・・・・
なんと!美しいモミジが 今頃見ごろだ!!鎌倉の山より綺麗だ!
笑顔になってしまった
???ん??右を見た・・・・
あああああっ!!洞窟陣地発見しました隊長ーーーっ!!心で叫んだ(笑)
本にあるのだから 見つけて当然なのだが、
絶対に観に来る人が居ない様な場所なので、余計に嬉しい(笑)
綺麗!綺麗!綺麗!!
そして右には穴。
この辺りは戦争末期、本土決戦を予測しての 防衛の中枢だったらしい。
他の壕は アーチ型の天井なのだが、ココは格が上で、
中隊本部である。入口左の壁に「第9中隊指揮壕」と、板に書いてぶら下げたい。
この壕は 調査した中で唯一、直接構築に関わった軍の当事者が確認に立ち会ったという。
長期戦は予想していない壕。
「一億一心 火の玉となり 一人残らず お国の為に 闘うのだ」・・・・・
教育とは恐ろしい物だ。「人命を軽視する考え」で、壊滅状態であっても
戦争を終わらせることが出来なかった。
戦跡は見に行くと、どれも虚しい。
この虚しさを味わって 伝えていくのも大切だと思う。
近くに壕につながる出口も発見し、戦跡を後にした。道路沿いの廃屋で一休み(笑)草の実を丁寧に除去(笑)
気を取り直して吾妻山へ。
菜の花は二分咲き。1~2月にかけて見ごろを迎える。
吾妻山から相模湾を眺めるといつも、真っ直ぐに海を目指してしまう。光っているからだ。
いつまでも観ていて飽きない 青い波だった。