りあさんの世界

好奇心に任せて あれこれ行動中

山手 根岸 辺り

ぼんやりとした空であった。

行き先がどこであれ ドアを出る気分はいつも同じ。
小さく深呼吸・・・・

昼ごろには晴れ間、午後は下り坂の天気予報。
いつのまにか 半袖で坂を下っても
ヒンヤリと感じない気候に変わっている。

山手の駅を出ると 線路沿いを南下・・・といっても
車道は丘に沿って登り坂である。
山手、だから当然、山なのだ。
入り組んでいる住宅街だ。

根岸外国人墓地。(明治時代〜)

入口横に説明書き。
読めば読むほど 曖昧なのである。
横浜外人墓地が手狭になったので こちらへ拡張したが
管理がどうのこうの立地が不便で・・・と。
戦争で資料が無くなり、どうやら、
外国人船員や、大震災罹災者、戦後の例の嬰児達を
まとめて入れてあると言った感じがうかがえる。

異国の地に眠る故人の永遠の安息を祈る・・・・
と結ばれる。

永遠に安息は出来ないのではないだろうか、ここは異国。


この、曖昧な場所に来たいと思ったのは
エリザベスサンダースホームを見た後だ。
人知れず 葬られた 沢山の、小さい命たちも、
ぼんやりとだが、ここに 眠っているのである。
しかし 魂はじっとしていない様な気もする。
抜け殻だけか。

管理棟と名のついた 古びた小屋が建つ。
見回すと 斜面に、3段に分かれて 墓地が並ぶ。

林に十字架は似合う と思った。
区画が整理されていないのは仕方のない事か。
敷地の端へ行くともはや 足の踏み場さえ分からなくなる。
   
長い年月で 大きく育った木に もたれかかる、
待ちくたびれて、諦めたような 石が印象に残る。


優しい花達に 抱かれて欲しい。

揺れる 樹々達と 語り合って欲しい

大地に抱かれたい気持ちも解ってしまう

過去の出来事を 投げ出して ひたすら何を待つのか。

形を残す事、残される想い、風化、そして魂の行方は・・・

形としてではなく、心の奥に、だとしても、持ち帰ってよいものか悩んだ。

もう一度訪れたら もしかしたら 何か 違った気持ちになるのかもしれない。