りあさんの世界

好奇心に任せて あれこれ行動中

台東区 隙間の風景

今にも泣きそうな空、
朝のラッシュを過ぎた 上り電車で 向かった先は上野。

何処へ行くのか。
出かけるギリギリまで ゆっくり地図をみる時間を持たなかったので
電車のなかで モヤモヤ〜っと上野駅周辺を 思い浮かべる。
いつもの左上辺りしか出て来ない。
キムチ横丁」「焼肉店」。
ネットのどこかで見かけた活字から頭の中で画像を追いかけるが 出てこない・・・・
仕方ない、やはりスマートな電話を出すか。
・・・・移動時間は そんな事を検索しているとあっという間に過ぎた。

広小路口を降りて潜る。
 

せっかくだから用はないが「キムチ横丁」をふらりと歩いてみる。
狭い範囲だった。ちいさなコリアンタウン。
 
こう、人が居ないと 店内を物色するのも 購入の意志が無いと無理。

・・・一本裏通りを覗いて にんまり。小さな焼肉店がひしめいている・・
満足。確認しただけでこの満足感はなんなのだろう・・・

次の目的地までは 路地を選んで通る。
  
タイムスリップしたような時間、懐かしい様な錯覚を起こさせる色、
小雨が降りだしたが 心地よい散歩。

稲荷町辺りで北へ。
あの隙間の、アレ。

隙間から見ると、より魅力的な蔦の絡まった建物。
取り壊しが決まり、住人が出て行くばかりの・・・

80年を超えている建築物、ダストシュート付きが印象的な
クールな団地だった。団地の先駆け。
敷地内の灯りも 数日で消える。

私は 昭和40年代に郊外型の団地に住んでいたが、
あのころの 子供の多さ、賑やかな団地のイメージ・・・
それよりも 更に40年も前から建っているとなると 本当に壊すのが惜しい。
何度も振り返りながら、 この一角だけ、セピア色にぼうーっと光っている残像を頭に残した。
見に来てよかったな、と ちょっと切ないが自然に首は頷く。

帰り、祖母の家に寄る前に 吉原を通り道にした。
初めての よしわら。
写真は撮れない(笑)ので コレは外周花園通り。左側が吉原区画。

真ん中の道を 歩いてみた。
昼前なので静かだった。歴史の案内板などもあったり 
幼児乗せ自転車が軒先に停まっている風景。
そんなに 恐縮する事も無いのだが・・・・だが・・・。
時折 ふっと横に流れる香が ただの住宅街ではない事を確認させた。

かつての門の手前には 見返りの柳。
翌朝 帰路につく客が 名残惜しく振り返ったという場所。

ここから吉原の門までは 中が見えないように S字に道が造られていた。
今もその道は くねっていた。

関東大震災で 遊女が沢山飛び込んで池を埋め尽くすほどになった弁天池跡地の弁天様。

ほとんどが東北の貧農から売られてきた娘達で
ここでで幽閉同然の生活を送っていたらしい。


この後 近くに住む祖母宅へ向かい、
独り暮らしで退屈な彼女と 沢山話して過ごした。
90歳の彼女と、85歳の古アパートと、90年前の震災の話など・・・・



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