前日の夕方、どこか行こうかな。どうしようかなどうしよう止めようかな・・・
悶々とした後に、
「箱根を散歩しちゃおう」みたいな意欲が止まらなくなって
夜遅くまで、嘘みたいにバリバリと動いて段取りをして
翌日朝、鼻歌混じりに駅に走った。
2番目に新しい車輌で、寄木細工柄のシートだった。
今回私が乗った登山鉄道は、名物車掌さんと言われる方だったらしく
饒舌なアナウンスに 電車内は何度も笑いに包まれていた。
未踏の「大平台」(おおひらだい)下車。
湯本から二つ目の駅。降りたのは私一人で、
スイッチバックして戻っていく電車を見送ると
ホームの隅にはハリボテの犬が居た。
・参考動画↓ハリボテの犬
そして 2か所ある駅出口のうちの、マイナーな方の出口を出ると
水たまりで猫が水を飲んでいる。
そして、ほんの30メートルくらいだろうか、
大きな廃宿泊施設と その先に小さな廃喫茶店がお出迎え・・・?
この感じで ここは私の好みのエリアかもしれないな、と期待。
大平台の温泉街は小さいエリアで 温泉を掘ったのは昭和24年との事で、
それよりも古くは 戦国時代からの村落であった様だ。
初めて歩く場所はワクワク・・・・
大平台は観光客さんの多い場所ではないかもしれない。
小さな温泉街、
山神神社や子育て地蔵、見どころもあるけれど、
そこにある生活感を感じる風景を見る散歩が好きだ。
・・・といいつつ ガランとした射的店を覗いたりもするのだけれど。
盛りのちょっと過ぎた紅葉も素晴らしいけれど、
集落の静かな空気に嬉しくなって
いちょう通りと呼ばれる坂から しだれざくら通りへ向けて
坂を下りながら歩く。桜の時期も良いのだろうな~。
背景の山に似合っている景色が沢山。
とある温泉宿の駐車場に「美肌の滝」が湧いている、触ったら「あちちちちち。」
”20ℓ100円でお分けします”とある。
よそ者に目を向ける 綺麗な猫たち。
細い路地を抜けると
登山鉄道の小さな踏切。線路の側溝からは湯気が上がったり。
電車が通る以外はとても静か。
道路脇の見慣れない設備、なんだろう?触ると温かいから温泉が通っているみたい。
過ぎる電車も のんびりとした音で、いい感じだなあ。
こんこんと湧く「姫の水」湧水を過ぎると 1号線へつながる裏道で
登山鉄道のトンネルを眺めたり 林に紛れる紅葉を楽しんで歩いた。
1号線の「蛙の滝」まで下って、また大平台へ戻る予定でのんびり歩いた。
片道3,40分くらいかな。
滝は、車だと一時停止の出来ない場所で、いつも一瞬で過ぎてしまう。
近くまで来たついでに良く見てみようと思ったのだ。
1号線に合流すると ヘアピンカーブで陽のあたる紅葉が美しくて
車や観光バスがビュンビュン過ぎていたが 構わず眺めた。
昔、悪い病気が流行したのを、蛙が治した・・・という言い伝えの滝。
それはヒキガエルだろうか?アマガエルだろうか?(笑)
なんてことのない落差15メートルほどの滝、
滝つぼに降りられたら良かったけどダメだった。
道路から眺めるだけだ。でも、一度見られて満足した。
大平台を歩く目的を果たしてしまった私は
御殿場に住む両親を誘って、このあと山神神社で合流。
”やまがみじんじゃ”ではなくで”さんじんじんじゃ”
村落のあった戦国時代からの鎮守様らしい。
こんなところで駅伝を観戦してみたいなあ・・・
なんて 駅伝を思い出すと、
イコールお正月というイメージが湧き、気が焦った。